会陰切開・会陰裂傷 — 怖がりすぎなくて大丈夫

この記事の目次
  1. 会陰切開が怖い…という声、よく聞きます
  2. 会陰とは
  3. 会陰切開と会陰裂傷の違い
  4. 会陰の傷はどのくらいの頻度?
  5. 会陰切開はどんなときに行う?
  6. 痛みはどのくらい?
  7. 産後の回復について
  8. 会陰マッサージ — できる準備
  9. 怖がりすぎなくて大丈夫な理由
  10. まとめ

会陰切開が怖い…という声、よく聞きます

出産について調べていると「会陰切開」という言葉に出会い、不安になる方も多いのではないでしょうか。「切られるの?」「痛いの?」「必ずするの?」——そんな疑問や不安を感じるのは自然なことです。

正しい情報を知ることで、必要以上に怖がらなくて大丈夫、ということをお伝えできたらと思います。

会陰とは

会陰(えいん)とは、膣の出口と肛門の間にある部分のことです。出産のときに赤ちゃんの頭が通る際、この部分が大きく伸ばされます。

会陰切開と会陰裂傷の違い

会陰切開

医師や助産師が判断して、ハサミで会陰を計画的に切開する処置です。赤ちゃんがスムーズに出てくるために、また重度の裂傷を防ぐために行われることがあります。

会陰裂傷

赤ちゃんが産まれる際に、会陰が自然に裂けることです。程度によって1度から4度に分類されます。

  • 1度裂傷:皮膚や粘膜のみの浅い傷。縫合なしで治ることもある
  • 2度裂傷:筋肉にまで及ぶ傷。縫合が必要
  • 3度裂傷:肛門括約筋にまで及ぶ傷。しっかりとした縫合が必要
  • 4度裂傷:直腸粘膜にまで及ぶ傷。まれだが慎重な修復が必要

多くの場合は1〜2度の傷で済みます。

会陰の傷はどのくらいの頻度?

出産時に会陰に何らかの傷を負う方は**約70〜90%**とされています(初産婦ではさらに高い割合です)。つまり、多くの方が経験するものです。

ただし、全員が会陰切開をするわけではありません。施設の方針や、お産の進み方によって異なります。「なるべく切開しない方針」の施設もあれば、「必要に応じて積極的に行う」施設もあります。

気になる方は、妊婦健診のときに施設の方針を聞いてみてくださいね。

会陰切開はどんなときに行う?

すべてのお産で行うわけではありません。一般的に、以下のような状況で判断されます。

  • 赤ちゃんの心拍が下がっていて、早く出してあげたい場合
  • 吸引分娩や鉗子分娩が必要な場合
  • 会陰が硬く、このままでは大きく裂けてしまう可能性がある場合
  • 赤ちゃんが大きい場合

痛みはどのくらい?

「切られるのが痛そう」と心配になりますよね。実際には、陣痛の痛みのピーク時に行うため、切開の瞬間の痛みはほとんど感じないという方が多いです。局所麻酔をしてから切開する場合もあります。

痛みを感じやすいのは、むしろ産後の回復期間です。

産後の回復について

回復の経過

  • 産後数日:座ったり歩いたりするとき、傷の痛みを感じることがあります
  • 産後1〜2週間:日に日に痛みが軽くなっていきます
  • 産後1ヶ月頃:多くの方が日常生活に支障がない程度まで回復します
  • 完全な回復:2〜3ヶ月程度かかることもあります

痛みを和らげるコツ

  • 円座クッションを使う — 座るときの圧迫を避けられます
  • 清潔を保つ — トイレのあとはシャワーボトルで優しく洗い流す
  • 冷やす — 産後すぐは冷却パッドで冷やすと楽になることがあります
  • 痛み止めを遠慮しない — 処方された鎮痛薬は、用法を守って使って大丈夫です

「痛み止めを使っていいの?」と迷う方がいますが、授乳中でも使える鎮痛薬が処方されますので、我慢せず使ってくださいね。

会陰マッサージ — できる準備

会陰マッサージとは、妊娠後期に会陰周辺の皮膚を柔らかくするマッサージです。

エビデンス

研究によると、妊娠35週頃から会陰マッサージを行った初産婦さんは、行わなかった方と比べて会陰切開の割合が減少し、縫合を必要とする会陰損傷が全体的に減少したという報告があります(Cochrane Review, Beckmann 2013)。

ただし、自然裂傷(1度〜4度)の発生率そのものには差がなかったとされています。裂傷を完全に防ぐものではありませんが、特に初産婦さんで効果が高いとされています。

やり方のポイント

  • 開始時期:妊娠35週頃から
  • 頻度:週に1〜2回、1回5〜10分程度
  • 使うもの:会陰マッサージ用オイルやスイートアーモンドオイルなど
  • 方法:清潔な指にオイルをつけ、膣口の周りをゆっくり圧をかけながらマッサージする

具体的なやり方は施設の助産師に教えてもらうと安心です。お腹が大きくなると自分では難しい場合もあるので、無理のない範囲で取り組んでみてください。

怖がりすぎなくて大丈夫な理由

  • 会陰の傷は多くの方が経験する一般的なことです
  • 適切な縫合がされればきれいに回復します
  • 痛みは一時的なもので、日に日に楽になります
  • 会陰マッサージなど、事前にできる準備もあります
  • 医療スタッフはできる限り傷を小さくするよう配慮しています

まとめ

会陰切開や裂傷は、出産に伴う一般的なできごとです。怖い気持ちは自然ですが、知識があることで不安は小さくなります。

「会陰切開をしたくない」という希望はバースプランに書いて大丈夫です。施設の方針と合わせて相談していきましょう。そして、もし切開や裂傷があっても、それはあなたが頑張った証です。