【助産師監修】つわりがつらい時の対処法|食べ方・過ごし方と受診の目安

この記事の目次
  1. つわりの原因
  2. つわりを楽にする食べ方
  3. つわりの時期の過ごし方
  4. 受診の目安|こんなときは病院へ
  5. パートナー・ご家族の方へ
  6. よくある質問
  7. まとめ

つわりがつらい毎日を過ごしていませんか?

「何を食べても気持ち悪い」「匂いがダメ」「いつまで続くの?」――つわりの苦しさは、経験した人にしかわからないものです。

この記事では、つわりの原因から具体的な対処法、そして「病院に行くべきかどうか」の判断基準まで、助産師の立場からお伝えします。

つわりの原因

つわりは妊婦の約50〜80%が経験するとされ、多くの場合妊娠5〜6週頃に始まり、12〜16週頃には自然に落ち着きます。

つわりの原因は長い間はっきりわかっていませんでしたが、2023年にNature誌に掲載された研究で大きな進展がありました。胎盤から分泌されるGDF15というタンパク質が脳に作用し、吐き気や食欲不振を引き起こしていることがわかったのです。

妊娠前からGDF15の値が低い人ほどつわりが重くなりやすい傾向があり、つわりの重さは「気持ちの問題」ではなく体の仕組みによるものだということが科学的に裏付けられています。

つわりを楽にする食べ方

つわりの時期に「これを食べなきゃ」と頑張る必要はありません。食べられるものを、食べられるときに、食べられるだけで大丈夫です。

少量をこまめに食べる

空腹になると吐き気が強くなることがあります。1日3食にこだわらず、少量を5〜6回に分けて食べてみてください。枕元にクラッカーやおにぎりを置いておいて、起き上がる前に少し口にするのもおすすめです。

冷たいものを試す

温かい食べ物は匂いが立ちやすく、吐き気を誘うことがあります。冷たいもの(冷やしたおにぎり、そうめん、ゼリー、フルーツ)の方が食べやすいことが多いです。

食べられるものは人それぞれ

「つわりにはこれがいい」という万能の食べ物はありません。酸っぱいものが食べやすい人もいれば、炭水化物しか受け付けない人もいます。自分の体が「これならいける」と感じるものを見つけることが大切です。

水分補給を意識する

食べ物より水分の方が大切です。一度にたくさん飲むのがつらければ、少量ずつこまめに。氷を口に含む、経口補水液を少しずつ飲む、という方法も試してみてください。

つわりの時期の過ごし方

匂い対策

  • 料理は家族やパートナーにお願いする
  • 苦手な匂いの場所は避ける
  • マスクをして匂いを軽減する
  • 換気をこまめにする

休めるときに休む

つわりの時期は体がフル稼働で赤ちゃんを育てている時期です。眠いときは寝て、だるいときは横になってください。家事は後回しで構いません。

仕事をしている方へ

つわりがひどい場合は、**「母性健康管理指導事項連絡カード」**を使うことで、勤務時間の短縮や通勤緩和の措置を受けられます。かかりつけの産婦人科で相談してみてください。

受診の目安|こんなときは病院へ

つわりの延長線上に**「妊娠悪阻(にんしんおそ)」**という状態があります。これは治療が必要な状態です。

以下に当てはまる場合は、我慢せずにかかりつけ医に連絡してください:

  • 水分もほとんど摂れない
  • 1日に何度も嘔吐を繰り返す
  • 体重が妊娠前から5%以上(または3kg以上)減った
  • おしっこの回数が明らかに減っている(脱水のサイン)
  • 頭痛やめまいが頻繁にある
  • ふらつきで生活に支障が出ている

妊娠悪阻は妊婦の約0.5〜2%に起こるとされ、点滴による水分・栄養の補給(輸液)が必要になることがあります。

「このくらいで受診してもいいのかな」と思う必要はありません。 早めに相談することが、重症化を防ぐ一番の方法です。

パートナー・ご家族の方へ

つわりの苦しさは外から見えにくいものです。

  • 「つらいね」と共感する(「気の持ちよう」は禁句です)
  • 料理の匂いがつらいなら、食事を買ってくる
  • 家事を率先して引き受ける
  • 体重が急に減っていないか、水分が摂れているかを気にかける

よくある質問

Q. 赤ちゃんへの影響はある?

つわりで食事量が減っても、この時期の赤ちゃんに必要な栄養はごくわずかです。ママが食べられなくても、赤ちゃんは問題なく育っています。無理に食べようとしなくて大丈夫です。

Q. つわりが全くないのは大丈夫?

つわりがない妊婦さんも約20〜50%いらっしゃいます。つわりの有無と赤ちゃんの元気さには直接の関係はありません。不安な場合は健診で確認しましょう。

Q. いつまで続く?

個人差が大きいですが、多くの場合妊娠12〜16週頃に落ち着きます。まれに後期まで続く方もいます。「永遠に続くわけではない」ということを、どうか忘れないでくださいね。

まとめ

  • つわりの原因はGDF15というタンパク質。気持ちの問題ではない
  • 食べられるものを、食べられるときに。栄養バランスは気にしなくてOK
  • 水分補給を最優先
  • 体重が5%以上減、水分が摂れない場合はすぐに受診
  • ひとりで耐えず、周りに頼る

つわりの時期はとにかくしんどいですよね。でも、必ず終わりが来ます。無理せず、周りに頼りながら、この時期を乗り越えていきましょう。

料理をするのがつらい時期は、宅配サービスに頼るのもひとつの手です。パルシステムのような生協の宅配なら、食材からミールキットまで玄関先に届けてもらえます。


この記事は助産師の専門知識と最新の医学研究に基づいて作成しています。症状がつらい場合は、かかりつけの医療機関にご相談ください。