【助産師監修】妊娠中期〜後期ガイド — 体の変化・よくあるトラブル・出産準備を総まとめ
この記事の目次
つわりが落ち着いて安定期に入ると、お腹もふっくらとしてきて「赤ちゃんがいるんだ」という実感がいっそう強くなってくる時期です。
一方で、妊娠中期〜後期は、お腹が大きくなるにつれてさまざまなマイナートラブルも出やすい時期でもあります。また、出産に向けた具体的な準備も進めていく必要があります。
このページでは、妊娠中期(16〜27週)から後期(28〜39週)にかけて知っておきたい情報を、助産師の視点からまとめました。
妊娠中期〜後期の体の変化
妊娠中期(16〜27週)— 安定期と呼ばれる時期
- つわりが落ち着く:個人差はありますが、多くの方は16週頃から楽になってきます
- 胎動を感じ始める:初産では20週前後、経産では16〜18週頃から。最初は「ポコポコ」という小さな動きです
- お腹が目立ち始める:子宮がおへその高さくらいまで大きくなります
- 食欲が戻る:つわりの反動で食べ過ぎてしまうことも。体重管理が気になり始める時期です
妊娠後期(28〜39週)— 出産が近づく時期
- お腹がさらに大きくなる:胃が圧迫されて一度に多く食べられなくなることも
- 息切れしやすくなる:子宮が横隔膜を押し上げるため
- 胎動のパターンが変わる:赤ちゃんが大きくなり動くスペースが限られるため、「グニョ〜ン」という動きに変化
- 前駆陣痛:不規則なお腹の張りが出てくることがあります(本陣痛とは異なります)
- 恥骨や股関節の痛み:赤ちゃんの頭が下がってくることで圧迫感が増す
妊娠中の食事 — バランスよく、でも完璧を目指さなくて大丈夫
妊娠中期〜後期は、赤ちゃんの成長が加速する時期です。お母さんの食事が赤ちゃんの発育を支えるため、栄養バランスを意識することが大切になります。
特に意識したい栄養素
| 栄養素 | なぜ必要? | 多く含む食品 |
|---|---|---|
| 鉄分 | 血液量が増えるため不足しやすい | レバー、ほうれん草、あさり |
| カルシウム | 赤ちゃんの骨や歯の形成に | 牛乳、小魚、豆腐 |
| たんぱく質 | 赤ちゃんの体の成長に | 肉、魚、大豆製品、卵 |
| 葉酸 | 引き続き大切 | 枝豆、ブロッコリー、ほうれん草 |
| 食物繊維 | 便秘対策に | 野菜、きのこ、海藻類 |
気をつけたい食品
- 生もの(刺身、生肉、ナチュラルチーズ):リステリア菌やトキソプラズマの感染リスク
- 水銀を多く含む魚(マグロ、金目鯛など):量を控えめに
- カフェイン:1日200mg程度まで(コーヒー2杯程度)
- アルコール:妊娠中は禁酒が基本です
食事についてさらに詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
→ 妊娠中の食事ガイド — 食べていいもの・控えたいもの・必要な栄養素
よくあるマイナートラブルと対処法
逆子(骨盤位)
妊娠28週頃に「逆子ですね」と言われて驚く方は多いですが、この時期の逆子は珍しくありません。28週時点では約30%が逆子と言われていますが、多くは36週頃までに自然に頭位(頭が下)に戻ります。
ただし、36週を過ぎても戻らない場合は、分娩方法について医師と相談する必要があります。
逆子の原因や体操、分娩方法の選択肢についてはこちらで詳しくまとめています。
→ 逆子(骨盤位)ガイド — 原因・治し方・出産方法をわかりやすく解説
腰痛・恥骨痛
お腹が大きくなるにつれて重心が前に移動し、腰への負担が増えます。また、出産に向けて骨盤周りの靱帯が緩むため、恥骨やお尻のあたりに痛みが出ることもあります。
対処のポイントとしては以下のようなことがあります。
- 骨盤ベルトの活用
- 正しい姿勢を意識する(反り腰に注意)
- 長時間同じ姿勢を避ける
- 温めて血行をよくする
- 無理のないストレッチ
詳しい原因と対処法はこちらの記事にまとめています。
→ 妊娠中の腰痛・恥骨痛ガイド — 原因と楽になるための対処法
むくみ(浮腫)
妊娠後期は特に足のむくみが気になる方が多いです。妊娠中は体内の血液量が約1.5倍に増え、さらに大きくなった子宮が静脈を圧迫するため、むくみやすくなります。
日常的なケアとしては以下のようなものがあります。
- 足を高くして休む
- 着圧ソックスの活用
- 適度な水分摂取(水分を控えすぎるとかえってむくむことも)
- 塩分を控えめにする
- 軽い運動やストレッチ
ただし、急激なむくみ、顔のむくみ、頭痛や目がチカチカする症状がある場合は、妊娠高血圧症候群の可能性があるため、すぐに受診してください。
むくみの詳しい原因とケア方法はこちらです。
出産準備 — バースプランを立てよう
妊娠後期に入ったら、出産に向けた具体的な準備を本格的に進める時期です。その中でも大切なのが「バースプラン」の作成です。
バースプランとは
バースプランとは、お産に対する自分の希望や考えをまとめたものです。出産する施設の医師や助産師と共有することで、自分の希望に沿ったお産に近づけることができます。
考えておきたいポイントの例
- 分娩スタイル:自然分娩、無痛分娩、フリースタイルなど
- 立ち会い:パートナーの立ち会いを希望するか
- 陣痛中の過ごし方:音楽を流したい、アロマを使いたい、など
- 赤ちゃんとの初対面:カンガルーケアを希望するか
- 授乳の方針:母乳、混合、ミルクなど
- 帝王切開になった場合の希望:麻酔の種類や立ち会いについて
バースプランは一度書いたら終わりではなく、健診のたびに助産師と相談しながら調整していくものです。
バースプランの書き方やテンプレートはこちらの記事で紹介しています。
→ バースプランの書き方ガイド — 自分らしいお産のために準備しよう
妊娠中期〜後期のスケジュール感
大まかな流れを把握しておくと、心の準備がしやすくなります。
妊娠中期(16〜27週)
| 時期 | 主なイベント・やること |
|---|---|
| 16〜19週 | 胎動を感じ始める、安定期に入る |
| 20〜23週 | 妊婦健診は4週間ごと、性別がわかることも |
| 24〜27週 | 妊娠糖尿病のスクリーニング検査、お腹がさらに大きくなる |
妊娠後期(28〜39週)
| 時期 | 主なイベント・やること |
|---|---|
| 28〜31週 | 妊婦健診が2週間ごとに、逆子チェック |
| 32〜35週 | 入院準備を始める、産休に入る方も |
| 36〜37週 | 妊婦健診が1週間ごとに、正期産の始まり(37週〜) |
| 38〜39週 | いつ陣痛が来てもおかしくない時期、お産の兆候に注意 |
「こんな症状があったらすぐ受診」のサイン
妊娠中期〜後期に以下の症状があった場合は、かかりつけの産婦人科に連絡してください。
- 出血(量に関わらず)
- お腹の強い張りが規則的に続く(切迫早産の可能性)
- 破水した(水っぽいものが流れ出る感覚)
- 胎動が急に減った、感じなくなった
- 激しい頭痛、目がチカチカする(妊娠高血圧症候群の可能性)
- 急激な体重増加やむくみ
「こんなことで電話していいのかな」と迷う必要はありません。迷ったら連絡する——それが赤ちゃんとお母さんを守る最善の行動です。
トラブル別チェックリスト
気になることがあれば、該当する記事を読んでみてください。
- 食事や栄養面が気になる → 妊娠中の食事ガイド
- 逆子と言われた → 逆子ガイド
- 腰痛や恥骨痛がつらい → 腰痛・恥骨痛ガイド
- むくみが気になる → むくみ対策
- バースプランを書きたい → バースプランの書き方
おわりに — お腹の赤ちゃんと過ごす残りの日々を大切に
妊娠中期〜後期は、体の変化やマイナートラブルとの付き合いが必要な時期ですが、同時に赤ちゃんの成長を最も身近に感じられる時期でもあります。
胎動を感じたり、お腹に話しかけたり、名前を考えたり——そんな何気ない日々が、かけがえのない思い出になります。
不安なことがあれば、遠慮なくかかりつけの医師や助産師に相談してください。このガイドの各記事が、少しでもあなたの妊娠生活のお役に立てれば幸いです。