【助産師監修】妊娠中期〜後期ガイド — 体の変化・よくあるトラブル・出産準備を総まとめ

この記事の目次
  1. 妊娠中期〜後期の体の変化
  2. 妊娠中の食事 — バランスよく、でも完璧を目指さなくて大丈夫
  3. よくあるマイナートラブルと対処法
  4. 出産準備 — バースプランを立てよう
  5. 妊娠中期〜後期のスケジュール感
  6. 「こんな症状があったらすぐ受診」のサイン
  7. トラブル別チェックリスト
  8. おわりに — お腹の赤ちゃんと過ごす残りの日々を大切に

つわりが落ち着いて安定期に入ると、お腹もふっくらとしてきて「赤ちゃんがいるんだ」という実感がいっそう強くなってくる時期です。

一方で、妊娠中期〜後期は、お腹が大きくなるにつれてさまざまなマイナートラブルも出やすい時期でもあります。また、出産に向けた具体的な準備も進めていく必要があります。

このページでは、妊娠中期(16〜27週)から後期(28〜39週)にかけて知っておきたい情報を、助産師の視点からまとめました。

妊娠中期〜後期の体の変化

妊娠中期(16〜27週)— 安定期と呼ばれる時期

  • つわりが落ち着く:個人差はありますが、多くの方は16週頃から楽になってきます
  • 胎動を感じ始める:初産では20週前後、経産では16〜18週頃から。最初は「ポコポコ」という小さな動きです
  • お腹が目立ち始める:子宮がおへその高さくらいまで大きくなります
  • 食欲が戻る:つわりの反動で食べ過ぎてしまうことも。体重管理が気になり始める時期です

妊娠後期(28〜39週)— 出産が近づく時期

  • お腹がさらに大きくなる:胃が圧迫されて一度に多く食べられなくなることも
  • 息切れしやすくなる:子宮が横隔膜を押し上げるため
  • 胎動のパターンが変わる:赤ちゃんが大きくなり動くスペースが限られるため、「グニョ〜ン」という動きに変化
  • 前駆陣痛:不規則なお腹の張りが出てくることがあります(本陣痛とは異なります)
  • 恥骨や股関節の痛み:赤ちゃんの頭が下がってくることで圧迫感が増す

妊娠中の食事 — バランスよく、でも完璧を目指さなくて大丈夫

妊娠中期〜後期は、赤ちゃんの成長が加速する時期です。お母さんの食事が赤ちゃんの発育を支えるため、栄養バランスを意識することが大切になります。

特に意識したい栄養素

栄養素なぜ必要?多く含む食品
鉄分血液量が増えるため不足しやすいレバー、ほうれん草、あさり
カルシウム赤ちゃんの骨や歯の形成に牛乳、小魚、豆腐
たんぱく質赤ちゃんの体の成長に肉、魚、大豆製品、卵
葉酸引き続き大切枝豆、ブロッコリー、ほうれん草
食物繊維便秘対策に野菜、きのこ、海藻類

気をつけたい食品

  • 生もの(刺身、生肉、ナチュラルチーズ):リステリア菌やトキソプラズマの感染リスク
  • 水銀を多く含む魚(マグロ、金目鯛など):量を控えめに
  • カフェイン:1日200mg程度まで(コーヒー2杯程度)
  • アルコール:妊娠中は禁酒が基本です

食事についてさらに詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

妊娠中の食事ガイド — 食べていいもの・控えたいもの・必要な栄養素

よくあるマイナートラブルと対処法

逆子(骨盤位)

妊娠28週頃に「逆子ですね」と言われて驚く方は多いですが、この時期の逆子は珍しくありません。28週時点では約30%が逆子と言われていますが、多くは36週頃までに自然に頭位(頭が下)に戻ります。

ただし、36週を過ぎても戻らない場合は、分娩方法について医師と相談する必要があります。

逆子の原因や体操、分娩方法の選択肢についてはこちらで詳しくまとめています。

逆子(骨盤位)ガイド — 原因・治し方・出産方法をわかりやすく解説

腰痛・恥骨痛

お腹が大きくなるにつれて重心が前に移動し、腰への負担が増えます。また、出産に向けて骨盤周りの靱帯が緩むため、恥骨やお尻のあたりに痛みが出ることもあります。

対処のポイントとしては以下のようなことがあります。

  • 骨盤ベルトの活用
  • 正しい姿勢を意識する(反り腰に注意)
  • 長時間同じ姿勢を避ける
  • 温めて血行をよくする
  • 無理のないストレッチ

詳しい原因と対処法はこちらの記事にまとめています。

妊娠中の腰痛・恥骨痛ガイド — 原因と楽になるための対処法

むくみ(浮腫)

妊娠後期は特に足のむくみが気になる方が多いです。妊娠中は体内の血液量が約1.5倍に増え、さらに大きくなった子宮が静脈を圧迫するため、むくみやすくなります。

日常的なケアとしては以下のようなものがあります。

  • 足を高くして休む
  • 着圧ソックスの活用
  • 適度な水分摂取(水分を控えすぎるとかえってむくむことも)
  • 塩分を控えめにする
  • 軽い運動やストレッチ

ただし、急激なむくみ、顔のむくみ、頭痛や目がチカチカする症状がある場合は、妊娠高血圧症候群の可能性があるため、すぐに受診してください。

むくみの詳しい原因とケア方法はこちらです。

妊娠中のむくみ対策 — 原因を知って上手に付き合うコツ

出産準備 — バースプランを立てよう

妊娠後期に入ったら、出産に向けた具体的な準備を本格的に進める時期です。その中でも大切なのが「バースプラン」の作成です。

バースプランとは

バースプランとは、お産に対する自分の希望や考えをまとめたものです。出産する施設の医師や助産師と共有することで、自分の希望に沿ったお産に近づけることができます。

考えておきたいポイントの例

  • 分娩スタイル:自然分娩、無痛分娩、フリースタイルなど
  • 立ち会い:パートナーの立ち会いを希望するか
  • 陣痛中の過ごし方:音楽を流したい、アロマを使いたい、など
  • 赤ちゃんとの初対面:カンガルーケアを希望するか
  • 授乳の方針:母乳、混合、ミルクなど
  • 帝王切開になった場合の希望:麻酔の種類や立ち会いについて

バースプランは一度書いたら終わりではなく、健診のたびに助産師と相談しながら調整していくものです。

バースプランの書き方やテンプレートはこちらの記事で紹介しています。

バースプランの書き方ガイド — 自分らしいお産のために準備しよう

妊娠中期〜後期のスケジュール感

大まかな流れを把握しておくと、心の準備がしやすくなります。

妊娠中期(16〜27週)

時期主なイベント・やること
16〜19週胎動を感じ始める、安定期に入る
20〜23週妊婦健診は4週間ごと、性別がわかることも
24〜27週妊娠糖尿病のスクリーニング検査、お腹がさらに大きくなる

妊娠後期(28〜39週)

時期主なイベント・やること
28〜31週妊婦健診が2週間ごとに、逆子チェック
32〜35週入院準備を始める、産休に入る方も
36〜37週妊婦健診が1週間ごとに、正期産の始まり(37週〜)
38〜39週いつ陣痛が来てもおかしくない時期、お産の兆候に注意

「こんな症状があったらすぐ受診」のサイン

妊娠中期〜後期に以下の症状があった場合は、かかりつけの産婦人科に連絡してください。

  • 出血(量に関わらず)
  • お腹の強い張りが規則的に続く(切迫早産の可能性)
  • 破水した(水っぽいものが流れ出る感覚)
  • 胎動が急に減った、感じなくなった
  • 激しい頭痛、目がチカチカする(妊娠高血圧症候群の可能性)
  • 急激な体重増加やむくみ

「こんなことで電話していいのかな」と迷う必要はありません。迷ったら連絡する——それが赤ちゃんとお母さんを守る最善の行動です。

トラブル別チェックリスト

気になることがあれば、該当する記事を読んでみてください。

おわりに — お腹の赤ちゃんと過ごす残りの日々を大切に

妊娠中期〜後期は、体の変化やマイナートラブルとの付き合いが必要な時期ですが、同時に赤ちゃんの成長を最も身近に感じられる時期でもあります。

胎動を感じたり、お腹に話しかけたり、名前を考えたり——そんな何気ない日々が、かけがえのない思い出になります。

不安なことがあれば、遠慮なくかかりつけの医師や助産師に相談してください。このガイドの各記事が、少しでもあなたの妊娠生活のお役に立てれば幸いです。